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未来の自分が読むと約束してくれるかぎり、本を買うのです。
小鳥遊ことり 2022.04.25
誰でも

こんばんは、ことりです。

ゆっくり本の話ができる場所を探して、ニュースレターに辿り着きました。これから、毎週月曜日の21時にレターをお届けします。このレターを好きだと思ってくれたら、ぜひTwitterなどで紹介してくれると嬉しいです。

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レターのタイトル「まだ読んでない本があってよかった」というのは、積読があるのにさらに本を買ってしまう自分への慰めの言葉なのね。

本を買うという行為は、本を読むという未来の自分との約束の上で成り立っていると思っていて、買ったその日に読むこともあれば、買ってからしばらく本棚に並べたまま「いつか読む、今週末こそ読む」と思いながら数年経って、忘れた頃に「この本持ってたのか!」と、あっさりページを開くこともあるじゃない。

そうやって、まだ読んでいない本がこの世にある限り、今日を生きるためのゆるやかな契りが結ばれ、明日も生きていくのに充分な理由になると思うんだ。

まだ読んでない本がたくさんあるから、私は今日も本を買って、読んだり読まなかったりしながら生きていける。そんな意味を込めて、このタイトルをつけました。略して「#まだほん」とかどうでしょう。

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そんな「趣味:本を買うこと 特技:積読」の私が、4月に買った17冊の本を紹介します。一応言っておくと、いつもはこんなに買いません。しかし、家から電車で15分のところに、大きい本屋を見つけてしまったのが運の尽き……。(いや、幸運なことですが!)

あまりに冊数が多いので、今回は「小説・エッセイ編」として9冊紹介します。(金額はすべて定価です)

900円

900円

短歌特集が気になる〜と思って、本屋で中身を確認したときに

数字しかわからなくなった恋人に好きだよと囁いたなら 4
p111 青松輝

が、べらぼうに気に入ったので購入。4ってなんだろう。私は肯定的に捉えたけれど、みんなはどうかしら。「よん!」って「ワン!」ってニュアンスに感じるんだよね、割り切れるし良さげじゃない?(???)

まあそんなに悪いことばかりでもないピクミンのかわいい断末魔
p113 岐阜亮司

も、お気に入り。なぜかというと、今とってもピクミンブルームにハマっているから。

それで、短歌特集を読み終えてからTLを見ていると、ちょうど「N/A」について盛り上がっており、おお読もう読もうと思っている。すぐ読まなかったのは、期待値が上がってしまって、読むのに力が必要になってしまったから。年森瑛さん、同い年なの痺れるなぁ。

「神欺く皇子」710円、「天翔る縁」750円

「神欺く皇子」710円、「天翔る縁」750円

私らしくないチョイスよね〜。Amazonレビュー読んでて良さげだったのと、シリーズものにハマってみたかったので購入。とりあえず1巻目だけ買えばいいのに、勢い余って2巻も買ってるとこらへん、大型書店マジックですね〜。宮廷ものなんて、全然興味がなかったのに……。でもこういう小説にハマりたい……続刊を楽しみにする感覚を知りたい……。

720円

720円

長田弘さんは『読書からはじまる』に続き2作目。愛しのちくま。こういう生き方のエッセイって、「うるせぇでやんすよ」って突っぱねたくなるパターンのこともあるし、私なんてひねくれ者はほとんどがそっちなんだけど、長田さんの言葉はスッと入ってくるので好き。寝る前にちょこちょこ読みたい。

730円

730円

ずっと前から知ってたけど、なんとなく買ってなかった1冊が平積みされていたので、あっさりと手に取った一冊。装丁が素敵。

780円

780円

これまた私らしくない一冊。店内を巡回のごとく練り歩いている中で見つけ、なぜか強く惹かれたので買った。水墨画に魅せられた少年の話、くらいの情報しかないのだけど。こういう、学生が主人公の小説って苦手なんだけど、ちょっと読んでいきたい、そんな春です。

740円

740円

凪良さんは『滅びの前のシャングリラ』しか読んだことがなく、そうつまり『流浪の月』を読んでないのだけど、なぜか次に手に取られたのがこちら。次、というかじつは2月に『すみれ荘ファミリア』を買って積んでいる。だけどまた凪良作品を買ったということは、私は凪良作品を読みたいということだ!(小泉構文?)

710円

710円

ファンタジーが読みたいと思って、調べていたら見つけた一冊。Kindleで試し読みして、こういうの読んだことないな〜と思って買ってみた。ちょっと児童書っぽい、小学校高学年〜中学生が楽しめそうな本って面白いよね。面白かったら続刊もあるみたいなので楽しみ。

2500円

2500円

幻想文学の棚でラス1だった一冊。なんてったってこの装丁よ!良いなぁ!まったく存じ上げない作家さんだし、ファンタジー小説で調べてたときにも出てこなかったので、どうかな……と思いつつ(2500円だしね)、大型書店のワクワク感に押されて買ってしまった。

古本

古本

最後に紹介するのはこちら。好事家ジュネさんの動画で、中井英夫が特集され、そうか幻想文学好きを語るには読んだおいた方がいいかもしれん、と思ったものの有名な『虚無への供物』は上下巻でう〜ん。じゃあこの『とらんぷ譚』シリーズにしよう!と思ったらほぼ絶版。縁がないのかぁと諦めていた頃。深夜のAmazonパトロールで何気なしに検索したら、一冊だけ中古で売られているじゃないですか。1200円くらいで定価の倍はするけど、もう二度とお目にかかれないかもしれないな……ポチッとなって感じで買われた一冊。私が情弱なだけで、全然手に入る代物だったらどうしましょ、まあいっか。

***

そんな感じで、小説・エッセイだけでこのボリューム。いかがでしょうか。こうして見ると、結構バラエティに富んだ選書だなぁ。宮廷、異世界、幻想、ファンタジーといった「ここではないどこかへ」という気持ちと「自分と、現実と向き合う」エッセイ系。興味が色々な方向に向いている楽しい時期のようです(他人事)。次回のレターでは「コミック・ビジネス・人文学」の8冊(多いて)をお届けします。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

それでは、今週も本を携えていきましょう。それでは、また来週!

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